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CGで蘇る「ベレットGEMINI」
       自 動 車 販 売  第46巻−第8号
       −特 集− 輸入車ディーラー・市場拡大に向けた取り組み
 
 
   
 栃木県内における、いすゞ自動車の販売・サービスを手掛ける栃木いすゞ自動車(株)が輸入乗用車取り扱いをはじめて今年で36年。現在では、一部の限られた購買層に人気が高い、フィアット、アルファロメオ、ランチア、マセラティ、フェラーリの5ブランド。これらの共通点は全てイタリア車だということ。
 しかも、輸入車メーカー各社の徹底したCI(コーポレート・アイデンティティ)が求められる中、輸入車部門をあえて別会社にせず、立ち上げ時から同社の中の1事業部とする体制が貫かれている。
 国産トラックとイタリア車というラインアップだけを見れば、「単なる経営者の趣味」と捉えられかねないが、しかしそこには、日本における輸入車販売の黎明期から現代に至るまでの間、国内メーカーと海外メーカーの資本関係、さらには、市場環境の変化に伴う国内インポーター間における輸入権の変遷といった紆余曲折を得て、現在のラインナップに至っていることを知る者は少ない。
 そこで同社の小平公重会長に、輸入車事業を始めることとなった経緯から、現在のラインナップに至るまでの過程。そしてイタリア車の現状などについて聞いた。


    全てはGMとの提携からはじまった
   同社が輸入車の取り扱いを開始したのは昭和47年。その前年に取引先であるいすゞ自動車と米ゼネラルモータース(GM)が全面業務提携したのを期に、当時、いすゞ製の乗用車と小型トラックを扱う「宇都宮いすゞモーター(株)」(平成5年、いすゞ自動車の乗用車部門撤退に伴い、栃木いすゞ自動車(株)に吸収合併)の外国車事業部としてGM車の取り扱いを開始。以降、現在の栃木いすゞ自動車(株)になってもこの事業部制が断続されている。
 取り扱いにあたって事前にメーカーにも相談したところ、「将来はメーカーとしてもGM車を取り扱う可能性があるので、全く問題ない」との回答があり、特に障害になることもなかったようだ。
 「別会社にすることも検討しましたが、収益が出るのであれば社員に還元したいという思いがありましたので、事業部制にしたんです。それに、今のようにCIは厳しくありませんでしたので、別会社にする必要はなかったのです。」
 当時は1つのショールームに複数のブランドを並べることは当たり前の世の中。こうしたことに対して、海外メーカーやインポーターから、何ら注文をつけられることもなかった。


    流浪のインポーター
   スタート当時の取り扱いブランドは、いすゞ車の販売店も手掛けていた伊藤忠オートによるシボレー、アルファロメオ。東邦モータースによるオールズモビル、オペル。さらには、日英自動車のポンティアック、ジャガーの6ブランド。因みに、これらインポーター3社で今も残っているのは東邦モータースのみ(現在は既にインポーター事業からは撤退)。そして、その東邦モータースから引き継がれたオペルは一時期いすゞ自動車とGMの関係から、全国のいすゞ系ディーラーで取り扱われることとなる(現在オペルブランドは日本市場から撤退)。
 しかし、その後に迎えたオイルショックを皮切りに、およそ10年の間、インポーターが転々と移り変わり不安定な状態が続く。中には次のインポーターが手をあげるまでの間、インポーター不在のブランドもあったほど。
 「それでも、販売した以上はその後のメンテナンスにも責任をもって対応するのがディーラー。お客様の面倒を見ないわけにはいかないですからね」。
 次のインポーターが決まるまでの間、小平会長自ら、部品調達に東奔西走し、国内のみならず、場合によっては欧州にまで部品を買い付けに行くこともあったと言う。


    新規投資がない事業部制のメリット
 

今では倉庫として使われている旧店舗は、今も事業部創設当時の面影を残す。
   輸入車の取り扱いを始めた当時は、高度成長期の真っ只中。いすゞ製のトラックの主要顧客である運送事業者や建設業者も景気がよく、いすゞ車のユーザーにも輸入車はよく売れた。また、その後に一世を風靡することとなるスーパーカーブームも手伝い、米国車よりも欧州車を中心に需要が伸びた時期もあった。例えば、ジャガーのXJ12など実売価格が1千万円を超えるものが、月に4〜5台売れる時代だったのだ。
 しかし何より経営面で大きかったのは、これらの輸入車がいすゞの乗用車との併売であったことだ。
 [建物も土地も、既存のものを利用していました。新規投資がない分、商売としては順調でしたね」。事業部制にしたことで、新たな設備投資をほとんど必要としなかったことは、同社にとって大きなメリットとなった。
   なお、現在も続くこの事業部制。営業もメカニックも全員が技術を始めとした専門知識の違いから、輸入車事業の専任職として採用されている。このため、トラック事業から輸入車事業への、またその逆の人事異動は原則行っていない。

      あてにできない市場
 
 現在、同社が取り扱うイタリア車5ブランドは、フィアット以外はどれもスポーツカー寄りの車種が多く、買い手も一部のマニアックなユーザーが中心となる。
 [フィアット好きな人はフェラーリ嫌いだと言う人はいないし、その逆もいない。だから小型から始めて、次にアルファロメオに乗って、将来はフェラーリに乗りたいという人は歴然としていますよ」。
 イタリア車特有のスポーツ性能や際立ったスタイルを求める固定的なお客様は確実に存在するものの、ボリューム自体が非常に少ないのは言うまでもない。
 「そもそもシェア的にあてにできるような市場ではないですし、無理な努力で売れるようになる車種でもありません。趣味でお乗り頂ける人しかターゲットには成りにくい車型です」。
   
   とはいえ、現在のフランチャイズ契約は以前に比べてどのブランドもはるかに詳細かつ厳しくなっている。これまでのように「欲しい人にだけ売っていればいい」といった時代ではないようだ。
 「何が何でも売れというわけではありませんが、販売台数のノルマは厳しいですよ。我々もそれを無視することはできません。なぜならそれに近い数字で売らないと、色々な事に影響することになりますから」。
 最近では売れ筋のアルファロメオやフィアットの販売も低迷しているだけに、買い手を選ぶ特種な車種の販売方法は、今後も試行錯誤が続くものと見られる。


    「故障するのが当たり前」は過去の話
   一方、イタリア車は「故障が多い」といったイメージが付きまとうのも事実。
 「イタリア車のユーザーは『壊れるのは当たり前』といった感覚で乗っている人が多いですが、だからといって皆さんが思っているほど故障が多いわけではありません。かつてのイタリア車は自国の電装品しか使わないような時代もありましたが、今はどのブランドでも優れたものを使う傾向にあります。日本国産のミッションなどもあらゆる海外ブランドに使われている時代ですから」。
 ブランドによる性能の格差が縮小したことで、イタリア車の故障が多いといった偏見も見直されるべきだという。
 それに加えて、今ではどのブランドも故障診断機を必要とする。それはイタリア車も例外ではなく、正規代理店であれば必ず診断機を備えていなければならない。今となってはイタリア車の「故障するのが当たり前」といったイメージは過去の話となりつつあるようだ。


    輸入車の全体的なボリュームは今後も変化しない
   全国的に輸入車の販売が低迷している現状をどのように見ているのか。
 「性能だけで見れば今は輸入車よりも国産車の方が優れているのは間違いないですからね。昔憧れた輸入車のようなデザイン・性能を持った車が国産車にないかといえば、今はいくらでもありますしね」。
 クルマの性能面だけでなく、デザイン面でも輸入車優位が薄れつつあるという。
 さらには、今後主流になると見られる環境性能に優れた燃費の良い車種が、輸入車に手薄な感も否めない。
 「こういった環境対応の輸入車が今後増加しないようだと、これまでと同様に富裕層を中心とした市場に頼らざるを得ないでしょう。それに、メルセデス・ベンツのユーザーがレクサスに乗り換える或いは、クラウンに飽きた人が簡単にBMWに乗り換えるかと言えば、考えにくいですよね。ですから、輸入車を選ぶ人と国産車を選ぶ人は基本的に層が違うんです」。


    イタリア車が残ったのは偶然の産物
   私の個人的な趣味だと思われる方も多いですが、結果的にイタリア車だけが残ってしまっただけなんですよ」と小平会長。
 いすゞ自動車とGMとの提携が解消され、さらにはいすゞ自動車が乗用車事業から撤退して以降も輸入車事業を継続した結果、今ではGMのブランドも存在せず、イタリア車のみのラインナップとなった。
 一方、自身も普段はイタリア車のユーザーである小平会長。現在はアルファロメオ159の左ハンドルのマニュアル車を慣れた手さばきで軽快に操る。

 
フィアットとアルファロメオを展示するシュールーム

   「店に置いていても売れないもんですから、仕方なく私が乗っているんです。ですから私が乗るのはいつも長期在庫車専門なんです」(笑)。それでも年式が落ち比較的低価格で買えるようになってくると、中古車として買っていくお客様も多いとのこと。因みに現在のアルファロメオも既に売約済み。この次はランチアが待っているのだそうだ。
   
        社団法人 日本自動車販売協会連合会 発行
        自動車販売 第46巻−第8号 より抜粋致しました。      
   
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